数学4 覚えようとしてはいけないが、fluency practice は重要
少しくどいようですが、「日頃気を付けること」や「勉強によって見つかる自分の適性」の記事を、もう少し捕捉したいと思います。とくに後者の記事では、解き方(解放手順)を覚えようとしてはいけない、と書きました。
数学は言葉である
どこが違うのか?と疑問に思われるかもしれませんが、これは語学の fluency practice と同じです。
外国語の学習では、最初は正しい言い回しを意識しながら練習します。そして、これを繰り返しているうちに、次第に、いろいろな場面で自然に言葉が出るようになります。
「数学1」の記事で強調したように、数学は自然科学の言葉なので、これとほぼ同じことがあてはまります。言葉は使い慣れることによって、はじめて自由に使うことが出来るようになるものです。
反復練習が言語の習得に有効であるように、数学の学習でも、繰り返し練習は有効です。そして数学では、頭のリセットボタンを押し、思考を最初から、きちんと繰り返すことが重要です。頭を空白にして覚えたことを繰り返すのでは、意味がありません。これは「英語4」の記事に書いたように、言葉の成り立ちを理解しないまま、頭を空っぽにして「オウム返し」をする言葉の練習と同じです。これでは内容が空虚な会話しかできるようになりません。
同じ問題を繰り返し解いていれば、結果的に手順を覚えてしまうかもしれませんが、単なる記憶と、理解した上での記憶は、質的に異なります。後者は、理解そのものと言って良いでしょう。思考の過程を何度も辿ることにより、その考え方が自分のものになります。そして手順は、習うのではなく、正しく理解した後に、自分でまとめてみることが良い勉強になります。
問題演習は量より質が重要
そして、沢山の問題をこなすより、十分に分析しながら、良い問題を何度も繰り返す方が、数学のオーソドックスな使い方が身に付きます。入試問題がバラバラに収録されている問題集を沢山こなすのではなく、考え方が系統的に整理されている演習書をまずじっくり勉強するのが良いでしょう。
なお、英語の学習では「正しい言い方にこだわらず、間違いを恐れずに話しなさい」と良く言われますが・・・これはここに書いたことと別の次元の話です。また別のところで書くことにしましょう。
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