勉強によって見つかる自分の適性
「向き・不向き」とは「心の向き不向き」です。
何を面白いと思うか、何に価値を見出すか・・・
それによって、自分の適性が見えてきます。
惹かれる部分があるということは、その分だけ自分に適性があることの証です。
自分なりの考え方を大切にする
同じ科目でも、内容によって興味の持てる部分と、それほどでもない部分がある・・・
興味の度合いは、異なるのが普通です。同じ分野で仕事をしている人々にも、興味の方向には多様性があります。
新しい内容に接したとき、自分には馴染まない考え方だな・・・なぜこのように考えないのだろう・・・という感覚を持ったなら、それは大切にすべきものです。
学校の教科書や参考書は、最も合理的な説明をしているとは限りません。自分なりの考え方で正しい理解に達したなら、それは自分にとっては最も合理的な説明、最も自然なアプローチです。研究には様々なタイプの研究者が必要です。自分のタイプを知ることは、研究者になるために重要です。そして、自分の考え方が、いつか世界標準になることも有り得ます。
常に正攻法の勉強を心がける
「日頃気をつけること」では、学習する上で概念が重要であることを強調いたしました。この点について、ここでもう少し具体的に付け加えたいと思います。
数学などでは、問題を種々のタイプに分け、それぞれの解き方(解法手順)を覚える、という勉強方法がしばしば見られますが、これは受験勉強として大変危ういだけでなく、少なくとも研究者としての能力の養成になりません。つまり、理系に進むには不向きの方法です。まずごく普通に、
1.定義と概念(背景)を良く理解する
2.自分の力で基本問題を解く
3.発展問題に挑戦する
という順序を踏んでください。とくに1と2の段階は、何が何でも自分の力で切り抜けるべきです。どんなに時間がかかっても構いません。2が出来ない場合は1がきちんと出来ていないので、何度でも、そこに戻らなければいけません。やむを得ずこの段階で誰かの助言を求める場合は、解き方を教わるのではなく、「自分が何を解っていないか」という診断を求めることが重要です。
「適性」と「成績」は同じではない
このような勉強を続けることによって、次第に自分の適性が見えてきます。すぐにできることが、必ずしも適性ではありません。心が向いていれば、能力はいずれ向上します。一方で、心が向かないことを、いつまでも続けることはできません。
今やっていることは余り得意とは言えないが・・・この方向には自分が興味を持てそうな何かがありそうだ・・・と感じた場合は、その予感は正しいことが多いでしょう。
逆に、試験では点が取れるが、どうも解った気がしない ・・・ などと言う場合は、その不安は的中しています。
不安は大切にして、自分で解消できるように努力して下さい。解らないことがあるのは良いことです。研究は、解らないことがあるから前に進めるのです。
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